2013年1月、米・サンダンス映画祭でプレミアされるやいなや、"最大の問題作"と世界中で話題となるも、ディズニー王国の日本では絶対に公開不可能と噂された、ディズニーファン、映画ファン待望のあの怪映画が、遂に日本上陸決定!
ランディ・ジョンソンよろしく内角ぎりぎりストライクの豪速球クロスファイアーで全エンタメ界を揺さぶる新鋭ランディ・ムーアのデビュー作。意味深なモノクロ映像で撮影された『エスケイプ・フロム・トゥモロー』は、"人為的な完全性という幻想"にメスを入れつつ、大衆エンタテインメントに執着する現代人の文化絶対主義を痛烈に揶揄し、神格化されたカルチャーへのまなざしの相対化を試みる意欲作である。
いろいろダメダメな平均的中年アメリカ人のジムは二児のパパ。この途方もない未来からの脱出ゲームは、ある朝ジムが突然会社をクビになったときから始まっていた。なにかにつけて口うるさい妻と、言うことを聞かない子供たちを連れて、魔法の城や妖精たち、ホワイト・プリンセスの待つあのステキなテーマパークへやってきたジム。夢と魔法の国での現実逃避を企てるジムがそこで目にするものは、黒いプリンセスが仕掛けるゆがんだ幻想ワールド。楽しいはずの家族旅行はたちまちにして、妄想と奇妙な出来事に溢れたシュールな悪夢へと変貌する…。夢が必ず叶うこの場所は、ジムの偉大なる妄想までをも叶えてしまうのだが…。